“単位変換”。
算数が苦手な小学生にとっては、まず“嫌いな単元”と言って間違いないでしょう。
そうとなれば、教える側からすると“×100”とか“÷100”という風に“機械的な方法”で押し切りたくなるところ。
ですが、苦手な生徒にとっては、“それすらも難しい”というのが現実。
“いかんせん種類が多すぎて覚えられない”。
これが生徒たちの“本音”だと思います
特に明確な“理屈”や“決まり”があるわけではない中で、わざわざ単位を変換する訓練をさせられているのですから、それも“無理ありません”。
しかし、この世から“単位変換が無くなる”ことも現状では考えにくい。
そこで今回は、単位変換が苦手な生徒でも、“なんとか克服するには”ということを考えてみたいと思います。
わざわざ単位を変換する“意味”を考える
誰でも知っている(わかる)であろう身近にある“単位”をいくつか考えてみます。
例えば、スポーツテストの定番“50m走”。
これ、“5000㎝走”と言っても“同じ距離”ですが、なぜか“必ずメートルで表しています”。
他にも学校のプール。
“25mプール”とは言っても、“2,500cmプール”とは言いません。
料理番組でも“塩100g”とはいいますが、“塩0.1kg”とは言いません。
どちらで表しても同じ“長さ”や“量”。
けれど、なぜか世間一般の感覚で、どちらの単位を使うかが“決まっている”。
ここに“ヒントがある”ように思います。
イメージを掴みやすくする“手助け”
もし、この世に“長さ”を表す単位が“cm(センチメートル)“だけしかなかったとします。
そうすると50m走は“5,000cm走”、25mプールは“2,500cmプール”としか表せなくなります。
50m走や25mプールの“あの距離感”で、”5,000”や“2,500”という数字は不釣り合いすぎて“イメージが湧きにくくなりませんか”。
長いのか、短いのかが“ものすごくわかりにくい”。
だから、それぞれの物に合った表し方が出来るよう、同じ長さを表すために“いくつかの単位がつくられている”。
そう考えると、自然に納得できるような気がします。
理屈を押さえて、後は“反復”
“長さ”で言えば、100cmを一つの区切りとして、そこまでいったら“1mという表し方もできる”
という風にする。
そうすることで、先ほどの例のように、数字と実際の長さとの間にある“不釣り合い”なイメージが無くなります。
単位変換と言っても、実際には“こんなものかぁ”と思えたら、あとは反復あるのみ。
“機械的な方法”による練習は、“ここから行います”。
結論
今回のポイントは、具体例を使った“視覚化”によって、単位の種類がいくつか存在することの“意味”を感じてもらうこと。
“たしかになぁ”と思わせることを意識しました。
もちろん、そう思えただけで単位変換が完璧に出来るようになることなど“有り得ない”ことは分かっています。
結局、覚えるべきことは覚えないと話になりませんし、反復しなければ“それが身に付くこともありません”。
ですが、多くの生徒たちが苦手とする単元には、“何かそれなりの理由があるはず”です。
だからこそ、機械的な反復に頼る前に一度立ち止まり、これからも“なぜ”を考えていきたいと思います。