似たような言葉に惑わされる
小学5年生で習う、“最小公倍数と最大公約数”。
似たような響きのせいか、ついつい混同してしまいがちなこの両者。
算数嫌いな生徒たちからすると、なかなか頭を悩ませられる単元の一つのように思います。
その原因として考えられるのが“イマイチ何をしているのか理解できていないこと”。
そして、その理解を諦めさせるかのごとく、“小手先のテクニックが多いこと”。
理解を伴わないテクニックというのは非常に脆く、頼りないものです。
そこで今回は、具体例を使いながら、テクニックに頼らなくても済む“考え方”について、お話します。
頭の中で状況をイメージ出来るか
この単元に苦戦している生徒のほとんどに言えるのが、“問題の内容が頭の中でイメージ出来ていない”ということ。
そして問題文中に出てくる”いちばん~な数”といった言葉尻の表現だけに頼るようなテクニックに走って、余計に事態を悪化させてしまっていることが多いのです。
こんな時、大切なのが“問われていることを具体的にイメージする力”。
ここから具体例を用いて、その辺りを見ていこうと思います。
具体例①
縦15㎝、横9㎝の長方形のカードを並べて、正方形を作る。この時、いちばん小さい正方形の1辺の長さは何㎝になるか求めなさい。
この問題を見て、真っ先に目に飛び込む部分はどこでしょうか?
もし、“いちばん小さい~”という部分であれば“要注意です”。
先ほど言いました“言葉尻の表現に頼った小手先のテクニック”に、すでに走りかかっています。
そんな部分よりも“まず一番大切”なのが、“長方形のカードを並べて、正方形を作る”という部分。
この行為を頭の中で“イメージ出来ているかどうか”です。
つまり、ネームプレートのような長方形のカードを並べ、敷き詰めていくことで、大きな正方形を一つ作るということ。
これが分かれば“あとは簡単”。
縦は15㎝ずつ、横は9㎝ずつ増えていくので、“倍数”についての話というのが分かります。
具体例②
18個のアメと27個のグミをそれぞれ等分し、子供に分ける。余りがでないように、出来るだけ多くの子供に分けると、何人に分けられるか求めなさい。
この問題の場合はどうでしょうか。
アメとグミを“それぞれ等分する”ということなので、18と27を割り切ることの出来る数、すなわち“約数”を聞かれていることが、“状況を整理することで分かります”。
これが分かれば“あとは簡単”。
18と27の両方を割り切れる数(公約数)の中で、“一番大きなものを考えればいい”ということです。
結論
上記の例から分かるのが、“いちばん小さい”や“出来るだけ多くの”といった言葉を真っ先に頼るのは、“邪道”ということです。
少し発展的な内容になった時に“求められる力”。
それは“言葉尻で解法を判断するような、テクニックを駆使する力”ではなく、“問題文から問われていることを明確にイメージする力”です。
今回の内容から、それを少しでも感じていただければと思います。