論理的思考力をつけるには
“図形なんか勉強して、何の意味があるのか”。
こんな風に生徒たちから聞かれたとします。
それに対して、“図形の学習を通して、物事を論理的に考える力が身に付く”と答える先生。
容易に想像出来るであろう“やり取り”です。
ですが、先生からの返答を聞いた生徒たちが、その後に納得して“真面目に取り組むようになると思いますか?
おそらくは“厳しい”ということまで合わせて、容易に想像できるでしょう。
考えてもみてください。
質問に答えているようで、実際には“そこに具体性”が何もない。
それが“原因”のように思います。
そこで今回は、その“具対性”について、もう少し掘り下げていきたいと思います。
“一つの知識”でも、使い方は“複数”
“なぜ、図形の学習で論理的思考力が身につくのか”。
それを考えるにあたって、まずは、以下の“知識”を例としてみてください。
①2つの辺が等しい三角形を二等辺三角形という(定義)
②二等辺三角形の底角は等しい(定理)
③二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に2等分する(定理)
二等辺三角形の“定義”と“定理”です。
言ってしまえば、二等辺三角形が絡む問題では、これらの“知識”を使うことになるのですが、問題は“その使い方”。
例えば、“二つの辺が等しいから、二等辺三角形”という見方もできますが、逆に“等しい二つの辺”を自分で見つける(もしくは作る)ことで、その三角形が“二等辺三角形である”と分かる場合もある。また、角度を求めていく中で、結果として“二つの等しい角度(底角)”が出てきたことで、二等辺三角形に“気づく”ということもあります。
このように“一つの知識”でも、使い方は“複数”あるのです。
論理的に考えるために“必要な力”
ここにポイントがあるように思います。
一つの知識を“どれだけ使いこなせるか”。
つまり、物事を多角的に見る“柔軟性”が、論理的に考えるには“必要”ということ。
図形の問題を解くという“行為”を通して、それらを“訓練”することができるというわけです。
結論
こうかな?それとも、こっちかな?
こんな風に、“手持ちの知識”や“経験”を組み合わせながら“思考する”。
算数や数学の良いところは、正解は一つでも、そこに行きつくための“ルート”は“複数ある”というところ。
時には柔軟な発想から、思わぬ“解法”を見つけることが出来たりすることもある。
その過程の一つ一つが、“論理的思考力”の育成につながる。
その気持ちで、ぜひ頑張ってください!