“押してダメなら、引いてみる”。
物事に行き詰まった時、よく言われる言葉です。
ただ、物理的な押し引きを言っているわけではないので、これが口で言うほど簡単でないことは、みなさん知っての通りだと思います。
そのため、楽でないことは百も承知ですが、勉強に苦手意識が強い生徒ほど、この手の力が貧しいのも“また事実”。
そこで今回は、物事に取り組む際に必要となる“視点を変える力”について、勉強の場合を例にお話します。
視点を変えられない人の特徴
視点を変える力が“貧しい人の特徴”とは何か。
これはズバリ、習ったことが“そのままの形”で出てくると思っているところです。
言うなれば、バッティングセンターと同じ。
自分が調節したスピードとコースに投げてくることが分かっていないと“打てない”ということです。
しかし、実戦となれば話は別。
相手も当然抑えようとしてくるわけですから、こちらの思った通りには投げてきてくれません。
勉強の場合も同じで、いつも習ったままの状態で出題していては、全員が解けてしまいます。
当たり前ですが、出題者もそこで“ひと工夫してくる”わけです。
では、どんな時にその力が求められるのか。
具体例と共に、お話します。
具体的に言うと“こんな時”
例えば、二等辺三角形の性質を習ったとき。
“二辺が等しい三角形は二等辺三角形”。
あるいは、“底角が等しければ二等辺三角形”ということを、ここで知ります。
問題は“ここから”。
もし、今の段階で、この知識は問題に三角形が絡んできた時に使うものだと感じた人は、“要注意”。
その状態では、視点は“変えられそうにありません”。
まずは、二等辺三角形の性質は“三角形に関する問題の時に使うものという固定概念”を捨てましょう。
例えば、円に関する問題。
円の中心から円周に向かって引いた直線というのは、“半径”になります。
つまり、“等しい直線”です。
ということは、その二つの直線を使って作られた三角形というのは、二等辺三角形ということになります。
どうでしょうか。
円に関する問題となった時点で、三角形に関する知識を頭から捨てていた人には、出てこない“考え方”のはずです。
克服するには“どうしたらいいのか”
こういった考え方をするには、“どうしたらいいのか”。
習った知識に“当てはめよう”という考え方ではなく、習った知識を“活かそうという発想”に切り替えましょう。
そうすることで、徐々に学んだ知識の使い方が上達していきます。
結論
“視点を変える”という力は、一朝一夕で身に付くものではありません。
しかし、才能の有る無しに関わらず、努力によって身に付けられる力であることも確か。
今回、お話した内容が、その“努力の助け”になれればと思います。