先週に引き続き、今週は平安時代の“つかみ”になります。
税の重さに耐えかね、与えられた田んぼを放って逃げ出す人々が現れ始めた奈良時代。
国民から納められた税で運営を成り立たせている国としては、見過ごすわけにはいきません。
そこで、人々のモチベーションを上げるべく、ある一つの“ルール”を作ったというところまで、お話していました。
今回は、その“ルール”がもたらした結果とは、“どのようなものだったのか”。
そこに焦点を当てた“つかみ”を紹介させていただきます。
モチベーションを上げることの難しさ
勉強しない我が子のモチベーションをあげるのは、“とても難しい”。
保護者の方々も一度は経験したことがあると思います。
そのくらい、やる気のない人を動かすのは、難しいということ。
それは、昔も今も変わりません。
そこで、当時の人はこの状況で、“どのようにしてモチベーションを上げようとしたのか”。
まづは、生徒の皆さんにそれを考えてもらうことがポイントになります。
そうすることで次の展開に入ったとき、より内容が頭に残りやすくなるはずです。
自分の“土地”を持つチャンスが生まれる
では、ここからが本題。
国はこの状況で、“どうしたのか”。
結論から言いますと、“墾田永年私財法”というルールを作ってしまいます。
これは読んで字のごとく、自分たちで新たに開墾した土地であれば、“永久に自分たちのものににして良いよ”というもの。
ん??となりませんか。
たしかに、これで人々のモチベーションは上がるかもしれない。
けど、これでは、せっかく国が土地を管理するというやり方に切り替えたのに、国の持ち物ではない“個人の土地”が増えてしまうことになります。
これでは、元の状態に逆戻り。
これが、人のモチベーションを上げることの難しさです。
うかつに相手に歩み寄ろうとすれば、結局は自分たちの首を絞めることになってしまいます。
では、ここからどうなっていくのか。
ここでまた、生徒の皆さんに想像してもらいましょう。
手にした土地を“どうするか”
“元の状態に戻ってしまった”ということは、また“土地の奪い合い”が始まるということです。
でも、せっかく苦労して手に入れた自分たちの“土地”、簡単に手放したくはありません。
そこで、腕っ節に自信のない貴族たちは、自分たちの身内に武芸を習わせて備えることにします。
そうです。
これが“武士”の誕生につながる最初の段階となるのです。
結論
モチベーションを上げるつもりが一転、逆戻りを起こす“きっかけ”となってしまった今回の出来事。
しかし、モチベーションを上げることの難しさ、モチベーションが上がった人々の動き方など、“今と変わらない人間の思考”がここでも垣間見えました。
そこを“つかみ”として、頑張ってみてください!