突然ですが、以下の2つを見てください。
①「体積が同じとき、“密度が大きい物質ほど質量が大きい”」
②「質量が同じ時、“密度が大きい物質ほど体積が小さい”」
公式を使わずに、“なぜ、そうなるのか”を説明できるでしょうか。
“体積・密度・質量”。
3つとも聞いたことはあるけれど、改めて“違い”や“関係性”を聞かれると“言葉につまる”。
そんな“何となくの理解”で流してしまっている生徒は、意外に多い。
そこで今回は、“何となくの理解”を“確実な理解”へと押し上げる“置き換え”を一つ、紹介させていただきます。
イメージを掴むための“具体例”
そもそも、“密度”や“質量”とは何なのか。
理科が苦手な生徒たちにとっては、ここからスタートだと思います。
でも、ここで長々と“教科書的な説明”をしてみても、ヤル気が失せるだけ。
そこで、ある程度、頭の中でイメージ出来るような“具体例を挙げながら、説明を進めていきます。
体積は“何かしらの立体(かたまり)。
質量はその立体(かたまり)“そのものの量”という解釈で大丈夫です。
問題は密度。
密度は、小学生の時に学習した“人口密度”を思い出します。
1㎞²という広さにそろえた時、人口密度が高ければ“ぎゅうぎゅうの状態”で、逆に人口密度が低ければ“スカスカの状態”、という“アレ”です。
今回も同じで、それが立体(体積)になったバージョン。
つまり1cm³という大きさ(体積)の中に、どれだけの物質がつまっているかを表したもの。
それが“密度”です。
どんな時に使える!?
例えば、同じ形、同じ大きさ(体積)の発泡スチロールと鉄があったとします。
“どちらが重いか”と聞かれたら、当然、鉄と答えるでしょう。
このように、同じ大きさでも“重さが違う”ものは、たくさんあります。
これは、同じ大きさ(体積)でも、その中に“つまっている量(密度)”に差があるから。
なんと、この密度(1cm³あたりの“つまり具合”)は物質ごとにきまっているので、物質の大きさ(体積)が分かれば質量を、質量が分かれば体積を、それぞれ求めることができるのです。
結論
では、最後に冒頭で挙げました2つの知識に戻ります。
①「体積が同じとき、“密度が大きい物質ほど質量が大きい”」
これは、大きさ(体積)が同じものを比べたとき、その中の1cm³あたりの“つまり具合(密度)”が大きい物質ほど、当然、質量は大きくなると理解できます。
②「質量が同じとき、“密度が大きい物質ほど体積が小さい”」
これも質量が同じなので、1cm³あたりの“つまり具合(密度)”が大きい物質ほど、大きさ(体積)は“小さくなる”ということが分かります。
頭の中にイメージがあれば、無理なく理解出来るはずです。
少し長くなりましたが、どこか一部でも参考になるところがあればと思います。