突然ですが、例えば以下のような文を見たとします。
「私には一人の友人がいる」
「その友人はロンドンに住んでいる」
これだけの事なら、大して違和感はないかもしれません。
ですが、こんな細切れの文がいくつも続いたらどうでしょう。
非常に読みにくいと感じるはずです。
出来ることなら、まとめられるところは“一文にまとめたい”。
そんな時に習うのが“関係代名詞”です。
ところが、“便利”などという気持ちからは程遠く、“難しくて厄介な文法”というのが大半の生徒たちが持つ“印象”。
このイメージを払拭すべく、今回も“表現法を増やす”という視点から見ていきます。
“作業”にならないようにする
上述したように、“二つの文を一つにまとめる”というイメージが強い“関係代名詞”という文法。
となると、自然と“二文を一文にする問題”を通して、解説や演習を行うことが多いですが、
これが最初の“間違い”。
“つなぐ”という作業を問題化するのではなく、一文で“表現する方法がある”という考え方を持つことが、まずは大切です。
書き手の視点で捉える
では、ここから具体的な指導例を一つ、紹介します。
意識するのは、“書き手の視点”。
再び冒頭の例文(今回は英語)に登場してもらいます。
I have a friend.
The friend lives in London.
わざわざ二つの文に分けられていますが、これを自然な日本語で表現すると、“私にはロンドンに住んでいる友人が一人います”ですよね。
英語でも同じです。
“I have a friend.”で、“私には一人の友人がいる”とし、その後に、その友人は“ロンドンに住んでいる”という情報を付け加えています。
だから、本来であれば、
“I have a friend the friend lives in London.”
と書いて、“私には一人の友人がいて、その友人はロンドンに住んでいる”となって終わりです。
けれど、これでは“a friend”と“the friend”がダブっていて読みにくいですよね。
だから、共通する単語(関係のある単語)のうち後半を代名詞に置き換えることで、“読みやすい文にしよう”というだけのことです。
ちなみに、正しい文は“I have a friend who lives in London.”となります。
“使える英語”の実現のために
“前の単語を後ろから説明している”というのは、結果として間違いではありませんが、英語で“書く側”の発想ではありません。
書き手はあくまでペンを“左から右へ”走らせます。
これを“読むこと”から入ってしまうから、“返り読み”の癖がついてしまう。
“使える英語”を目指すのであれば、まずは一つ一つの文法学習を通して、この“書き手の視点”を意識する必要があります。
結論
“問題が解ける”というのと、理解して“使いこなせる”というのは、まったくの“別物”。
関係代名詞について考える時、常々“思っていること”です。
昔から“難しい単元”という印象が強いので、ついつい“機械的な考え方”や、“問題ありきの教え方”になりがちなところですが、それでは“使える英語”は絵に書いた餅です。
関係代名詞のような表現の幅を広げてくれる文法の学習ほど、“書き手の視点”を大切にする。
これを意識して取り組んでみてください。