暗記教科の存在感

中学生のみなさん、あなたにとって「社会」とはどういう教科ですか?

暗記するだけでいいから楽勝。点数を稼ぎやすいと感じている生徒。

逆に、全然面白くないから興味がもてないという生徒。

将来、役に立つと思えないという、消極的なイメージしかない生徒。

様々いると思います。

ただ、どのグループに属している生徒であっても、それなりにやることやって、テストとなるとキッチリ点数が取れている生徒は、それで大丈夫。

問題は、苦手意識が強いあまり、全く勉強が前に進まない生徒。

お父さん、お母さんからすれば、覚えるだけで済む「社会」のような教科の点数が、なぜこんなに悪いのか。

「覚えれば済むだけやろ」と思うこともたびたびかと。

学習塾では、暗記科目のイメージのある教科の「社会」を、早くから履修しているケースはかなり少ない。

中学2年の途中あたりまでは、なんとなくやり過ごしている生徒は多いと思います。

でも、やり過ごしてもいられない高校受験を意識する段階になると、「社会」の点数のひどさに、そろそろ手を打たないとヤバいかなと思い始めます。

今回はそんな段階で、学習塾で「社会」の授業を検討し始めた生徒さんのご両親に向けたアドバイスです。

安易な選択はとても危険!

社会科担当の先生は、「社会は暗記教科」という認識を嫌います。

“時代の流れや仕組み、時代背景(歴史)を押さえれば、暗記に頼らなくても成績は伸ばせる”。

この手の文言は、よく聞かれるところです。

そして、それを聞いたお母さんは、「うちの子も、時代の流れや仕組み、時代背景を面白おかしく、塾の先生に説明してもらえば、きっかけをつかめるかも」と思ったりします。

この流れで塾へっていうのが、とても危険なんです。

なぜ危険なのか

それは、なぜ「社会」が出来ないのかという原因が分かっていない”から。

中学生で社会が苦手という生徒のほとんどは基礎力が圧倒的に欠落しているのです。

例えば、“都道府県をほとんど覚えていない”とか、“○○時代”と聞いても、初めて聞いたというような顔をしてしまう状態。

これではどうしょうもありません。ここをまず、自力でなんとかしない限りは、時代の流れや背景を言う以前の問題。どんなに良い授業を受けても、ムダなんです。

さらに授業回数からみても、学校の授業は週2、3回。塾は1回となると、よほど塾の授業が工夫されたものでないと、量の差を質で埋めることは難しい。

塾で「社会」を採らないと、どうしょうもないレベルの生徒にとって、「焼け石に水」という可能性が高いのです。

結論は?

塾で「社会」の授業を採ることを考える前にまず、最低限の基礎力を自力で身につけることを考える。

でないと「塾の授業」を採ることは、お金をムダにするだけじゃない。なけなしの大事な時間をなくすんです。

おまけに「社会」でのもたつきは、他の教科の仕上がりに影響が出ます。

受験はトータルバランス(各教科の勉強をするタイミングや、やり方を工夫することで、受験勉強全体に好循環を生むような取り組みのこと)を常に考えることが大切です。

一つの教科の取り組みが、良くも悪くも他の教科に影響を及ぼします。

“塾で授業を採る”。これで何とかなると安易に考えず、まずは根本原因を解消することを優先してください。