学習塾の講師をしていると、保護者の方から相談を受けることも多いです。

その相談内容で多いモノのの一つが、

「ウチ子は本番に弱いんで心配なんです。何とかなりませんか?」

というもの。

本番になると緊張感からか、なかなか実力が発揮できないと言う。

本番に強いとか、弱いとか。度胸があるとか、ないとか。

これは先天的な資質によるものもあると思う。

「気が強い、弱いと」同じように。

でも、そういうものがない子の保護者が相談してこられるわけだから、先天的な資質ウンヌンは言ってられない。

では、どうするか。

相談を受けた私は、こういうお話をします。

高校入試や大学入試は、スポーツの試合と同じ。

結果がすべてです。

だからこそ、実力をつけるための努力と同じくらいの熱意で、つけた実力を充分に発揮するための努力の仕方を考えねばなりません。

そこで最初に考えねばならないこと。

それは原因です。

なぜ、思うように実力が発揮できないのか。

その原因です。

例えば、本番の試験でノーマークだった問題が出題されていた時。

これは焦りますよね。

入試のような勝負のかかった試験だったりすると、頭が真っ白ということになっても不思議じゃない。

こうした想定外のことが起きたときに人は焦ります。

焦れば、実力をフルに発揮することは、まず望めない。

ならば、想定外のことを究極まで減らせば良いことになる。

そのために何をするか。

それは「準備」です。

本番に強くなるためには、この準備力を鍛えるしかありません。

試験が近づくと、当日と同じ時間帯に起きて勉強することで、より本番に近い状態を作るといったことを指導された経験のある生徒さんは、多いと思います。

でもこういったことは、誰しも思いつくことで、決して充分な準備とは言えません。

試験本番では、様々な予期せぬ出来事が起こります。

普通に動いていた腕時計が、電池切れなのかピタッと止まっている。

試験会場の教室には時計がない。

試験開始後に腹痛が起きた。

トイレに行きたくても行けない。

隣に座った受験生がやたらと貧乏ゆすりがひどい等々。

挙げだしたらきりがない。

こんな予期せぬ出来事を、どれだけ想像出来るかが大事なのです。

つまり、準備力=想像力 なのです。

用意周到な人とは、例外なく想像力の働く人です。

想像力を鍛えることで準備力を高め、その結果として本番で実力を発揮する力が高められます。

時計のアクシデントに備えて、事前に電池交換する。

さらに、予備の時計をもうひとつ持って行く。

お腹が弱いのなら、あらかじめ腸内環境を整える努力をする。

それでも腹痛がおきた時のために、普段から腹痛に耐える訓練をする。

そうやって想像力を働かせて、一つ一つ対策を考え、準備する。

その準備の積み重ねが自信を生み、本番に強い人間を作ってくれるのです。

想像力=準備力=本番の強さ なのです。