理解をさまたげる原因とは

小学校算数の最大の難所はどの単元か。

その一つとして昔からよく挙げられるのが「割合」です。

これまでも毎年のように保護者の方から、「割合でつまづいてるんです」という悩みを聞いてきました。

当たり前のように理解している大人からすれば、「割合」がワカラナイという子供に対して、なぜワカラナイのかが分からないというところかも。

でも、ワカラナイというのが分からないなんて言ってられないのも事実。

なにせ厄介なことに「割合」は、小学生の間だけでなく中学、高校、さらには大人になってまでも、確実に必要な知識です。

だからこの「割合」に関しては、子供たち得意のお決まり文句、「こんなん将来使わへんやん」がいっさい通用しないのです。

でも毎年のように、これだけ「割合」に苦手意識を持つ子が多いということは、何か原因があるはずです。

そこで今回、多くの子供たちが苦手意識を持つ「割合」について、理解を妨げる原因を探って

いきたいと思います。

「割合」と聞くと頭には、何%とか何割といった言葉が浮かんでくると思います。

例えば”夏のセール”で服を買いに行ったとします。値札には定価4000円から3割引きの文字が。

これでまぁ、いくらか安くなるんだろうな、ぐらいのことは「割合」が苦手な子でもイメージできると思います。

ところがです!。これが算数の問題だったとしたら。

おそらく授業では、”もとにする数”や”くらべられる数”といった言葉が飛び交うことだろうと思います。

この辺りからではないでしょうか。

“「割合」がまったくワカラン”という印象を子供たちが持ち始めるのは。

理解している大人からすれば、”当たり前の感覚”。

でも子供たちにすれば、これが”もとにする数”で、あれが”くらべられる数”と言われても摩訶不思議でしょうがないのです。 なぜ、そう判断できるのかと。

そこでです!

要するに「割合」とは何なのか

「割合」とは何かを理解してもらう。これが最も重要なこと。

これを理解していない子供たちは、“何をしているのか”が分からないのです。

そんな子供たちへ!

一言で言うと「割合」とは、数字と数字の比較です。あるものを基準として、それと他のモノを比べる。

その時、その基準としたものと比べて、その相手となったものは多いのか、それとも少ないのか。 ただ、それだけのことです。

例えば10を2倍した数は?という質問。これも立派な「割合」の話です。

10という数(これが基準)があって、”これを2倍した数はいくらになりますか?”というだけのことです。

もう一つ。

100gの水のうち、20%分は何gですか?。

これも100gの水(これが基準)があって、そのうちの20%分、つまり”100分の20(100%中の20%だから100分の20)にあたる量は何gですか”と聞かれているだけです。

結論

このように“基準”となっている数(あるいは量)さえ分かれば、あとはその数と比べてどうなのか、という事を聞かれているだけということが分かります。

つまり大切なのは基準となる数(これを”もとにする数”と授業では言われることが多い)が何かを考えること。

それさえ分かっていれば、授業の中でされる具体的な説明に食らいついていくことが出来るようになってくるはずです。