目にした方には、いったい“なんのこっちゃ”というタイトルです。
実はコレって、はじめて分数を目にした子供たちには、こんな風に感じているんじゃないかって、私の勝手な想像です。
子供たちがはじめて分数を目にするのは、小学2年生。
“なんじゃ こりゃ”の衝撃と共に、タイトルのようなイメージを持つ子がいても不思議はありません。
子供たちの想像力ってホント、凄いモノがあるんですから。
そこから考えると、大人にとっては当たり前で簡単に思える内容であればあるほど、子供たちの見え方や感じ方との間に、大きなギャップがある。
“子供と同じ目線になって”と言われたりしますが実はコレ、とても難しいことなんです。
例えば泳げる人が泳げない人と同じ目線に立つことが、簡単ではないのと同じです。
人は自分が当たり前に出来ることであればあるほど、出来ない人と“同じ目線に立つ”なんてことが、文字どおり出来ないものなんです。
そんな時です!
そうは言っても小学2年生くらいの内容であれば、自分でも教えられるだろうし、この時期から塾に通わせるのも“もったいない”と感じる方も多いと思う。
そこで今回、分数を一つの例にして、家庭内で保護者と子供たちの間にあるギャップを埋めようとするとき、注意すべきことをお話します。
基礎=簡単というイメ-ジを捨てる
最初に、大前提として基礎=簡単というイメ-ジは捨てなければいけません。
基礎的な内容を“簡単なこと”と考えてしまう人の脳裏には、常に“慣れ”という言葉が存在しています。
先の水泳の例もそうですが、結果として身についてしまえば何と言うことのない簡単な動きに対しては、“やっているうちに慣れる”というイメージを持っていないですか?
確かに水泳のように泳げることが“ゴール”となるモノはそれでも良いと思います。
でも勉強のように積み重ねとなるモノの場合、この“習うより慣れろ”式の考え方は非常に危険です。
なぜ危険なのか
“慣れ”で片づけてしまうと、根っこのところの理屈が理解出来ず、それが上の学年での学習に大きく影響してしまいます。
例えば、今回の話題に挙げた分数の場合。
分数とは“分けた数”と書きますが、そもそも何を分けているのか。
それをハッキリと意識させることが、説明するときには重要です。
“ある数があって、それを何等分かしたうちのいくつか”ということを表したい時に使います。
これは以前のブログ(割合が苦手な子必見!) でお話した、基準となる数(もとになる数)が何かを瞬時に判断する力につながってきます。
そのブログの中で使った例の、水100gのうち20%にあたる量は何gか?
そう聞かれたときに100分の20を100gに掛けるという作業の意味が理解出来るか。
ここに大きく関わってきます。
結論
学校でやる勉強(積上げ教科)のほとんどは、以前にやった基礎内容に、さらに基礎内容を積み重ねる、という基礎の繰り返しです。
“応用問題になると出来ないんです”と言う方もいます。
ただ、それはほとんどの場合、応用問題が解けないのではなく、応用問題を解くにあたっての基礎力が充分でないから、結果として手が出せないということが多い。
だからこそ、基礎的な内容と言われるものほどじっくり取り組み、いかに根本原理をしっかり理解させられるか。
ここが大きなポイントになります。
そのために“慣れ”という感覚を捨て、じっくりと“基礎”に向きあってみてください。