“積み重ね教科”の典型が数学です。
その数学がサッパリ出来ない生徒が学校や学習塾の先生によく言われる言葉があります。
それが“分からなくなり始めたところまで戻って勉強する”って言う言葉です。
でも、ここで注意!です。
“さかのぼり=単なるやり直し”では、ロスが大き過ぎる。
漠然と“戻ればいい”というわけではないのです。
例えば中3になって図形分野が難しく感じた時、だったら“中1の図形分野からやり直そう“なんて安易に考えてはいませんか!?”。
こんな風に原因を突き止めずに“漠然とさかのぼる”という行為には、ほとんど意味がありません。
そこで今回、ロスを最小限に抑える“さかのぼり法”について、お話します。
さかのぼる前に
まず大前提として、いかに積み重ね教科といえども、安易に“前の学年に戻れば解決する”というわけではありません。
先ほどの例を使って、詳しくお話します。
中3の図形分野で習うのが、主に“相似”、“円周角の定理”、”三平方の定理”などです。
これに対して、中1の図形分野で習うのが、主に“作図”、“円とおうぎ形”、“空間図形”などです。
両方を見比べた時、さかのぼって学習し直すことで、“今、感じている壁を突破できる”と思えなければ、せっかく“さかのぼっても、効果はあまり期待出来ません”。
ならば、どうするか
理解出来ていないと感じたら、まずは、その“原因”を書き出してみてください。
例えば、相似という単元が“イマイチ理解出来ていない”と感じた場合。
“言葉の意味が分からない”のか、“性質が分からない”のか、それとも“比についての理解が貧しい”のか。などなど考えれば、様々あるはずです。
原因が分かれば、ピンポイントでそこに戻る
そして、原因が分かれば、次にそれを解決するにあたって何を見れば良いかを考えます。
相似というのは、小学6年生で習う“拡大図と縮図”という単元を、さらに発展させていく内容になります。
つまり今回の場合、戻るなら“中1ではなくて小6”というわけです。
中学生にもなって、“小学生の分野に戻るのは気恥ずかしい”と感じる生徒さんもいるかもしれません。
でもチョット考えてください。
関連性の薄い単元を“漠然とやり直す”よりも、はるかに効率的なのです。
結論
“分からなくなったところまで戻って、やり直す”。
そうは言っても、変な見栄の張り方をして、“戻るべきところまで戻れない人”。
逆に、戻る気はあっても、“どこに戻ったら良いのか分からないという人”。
そんな人がたくさんいると思います。
“分からなくなったところまで戻る”というのは、案外難しいことなのです。
だからこそ、“漠然とした取り組み”は絶対に避けなければいけません。
そのために必要なのは、“真摯に自分と向き合う”こと。
その中で、しっかりと原因を突き止め、ピンポイントにそれを潰すことによって、最短で今やっている学習に戻ってくる。
この意識をしっかりと持って、“さかのぼり”には取り組んでみてください。